2013.03.25 郷土愛溢れる作品勢揃い「JIMOT CM COMPETITON」のグランプリ決定!
夕闇に包まれたオープンエアスクリーンで「JIMOT CM COMPETITON ファイナル」が行われました。 2日間にかけて上映が行われた「JIMOT CM COMPETITON」のノミネート作品の数々。
その中からグランプリを決めるファイナルでは、前半に沖縄県内の41市町村全てのCM、後半は沖縄を除く46都道府県の中からネットなどの中間投票で選ばれた上位5県の作品が紹介されました。

司会はあべこうじが担当、ゲストにペナルティ、ブラックマヨネーズ、しずる、ガレッジセールが登場。
また、審査員として木村祐一、作家や脚本家などとして活躍中の大宮エリーさん、前神奈川県知事の松沢成文さん、“川満しぇんしぇー”こと川満聡さんが参加。大宮さんはこのイベントについて「プロの方が参加していないCMというのが特徴。まさに下克上。アイディア一発です」、またゴリは「CMの30秒という長さは、地元を紹介するのにぴったりだと思う」とそれぞれコメントしました。

客席には翁長雄志那覇市長を始め、沖縄県内各自治体の首長など、大勢の人が詰めかけました。

まず最初に紹介されたのは北部地域の名護市、国頭村、大宜味村、東村拍手、今帰仁村、本部町、恩納村、宜野座村、金武町の9市町村。
この地域で審査員特別賞に輝いたのは「今帰仁村」でした。理由として木村は「プロポーズをネタにしたのがよかった。僕も去年の映画祭の時期に今帰仁でプロポーズしたから」とプライベートな話題にふれながら説明しました。

続いては中部地域の浦添市、沖縄市、うるま市、読谷村、嘉手納町、北谷町、北中城村、中城村、西原町の9市町村の作品を上映。
この地域で審査員特別賞を受賞したのは「嘉手納町」。
理由について大宮さんは「イモの出会いから始まって、まさか踊ると思わなかったから」と意外性を高評価したようです。

南部地域の豊見城市、南城市、南風原町、与那原町、八重瀬町の5自治体の作品が紹介されました。
この地域で審査員特別賞を受賞したのは「豊見城市」です。
理由について松沢さんは「海にお祈りすれば子供が授かるのは単純でいい。沖縄は全国で一番出生率高い。これは沖縄の誇り。日本も見習うべき。ここをアピールしたのがよかった」と知事を経験した視点から切り込んでコメントしていました。

そして離島地域の石垣市、宮古島市、伊江村、渡嘉敷村、座間味村、粟国村、渡名喜村、南大東村、北大東村、伊平屋村、伊是名島、久米島町、与那国町、伊是名島、久米島町、与那国町の13市町村の作品が登場。
この地域で審査員特別賞に輝いたのは、おばあが「私も昔食べられた」という意味深な締めくくりで、会場や出演者の大爆笑を誘った「伊平屋村」でした。
この理由について川満しぇんしぇーは「心にポッと何かが灯った。あのおばあに会いたくなる」と話しています。

引き続き、沖縄県内41市町村のグランプリを決定すべく、選ばれた宜野湾、多良間、竹富町、那覇市、糸満市の優秀作品5つが紹介されました。

この中から見事グランプリに輝いたのは糸満市! 発表の瞬間、会場からは大きな拍手が巻き起こりました。グランプリを獲得した糸満市のCMを立案した長田唯亜さんは、賞金41万円の使い道について聞かれ「全額恵まれない子供に寄付したい」と話し、会場中がさらに温かい拍手に包まれました。

後半は沖縄を除く全国都道府県のCMが紹介され、中間投票の上位5つに選ばれた北海道、福岡県、群馬県、大分県、新潟県がノミネート。
CMの前にはそれぞれのメーキング映像が流され、どの地域でも地元の人たちが一体となって作り上げた様子がひしひしと伝わってきました。

北海道は網走の流氷や雪原など冬の大自然をピックアップし、福岡県は中洲の屋台で繰り広げられる人間模様を切り取り、群馬県は渡良瀬鉄道を貸し切って各駅の人や魅力を発信、大分県は「住みたい田舎ランキング全国1位」になった豊後高田市の昭和な町並みを紹介、そして新潟県は、総撮影時間48時間! 名産のお米で新潟の風景を見事に表現。それぞれが地域の持ち味を存分に出し切った作品となりました。

この5作品の中から見事、46都道府県の頂点となるからグランプリに輝き、賞金47万円を獲得したのは、なんと大分県! 発表の瞬間、CMを企画した持山弘太さんと、「大分県住みます芸人」の野良レンジャーの二人は「やったー!」とお互いに抱き合い、喜びを爆発させました。
感想を聞かれた持山さんは「最高です!」、野良レンジャーは喜びのあまり、なぜか二人とも放心状態に。その後、「(事前審査が行われたインターネット上にある)笑いボタンの数が一番少なかったんだけど・・・」と驚きを隠せない表情でコメント。

選考理由について木村は「2位と1点差という僅差だった。(昭和というキーワードで)町おこしをしたというところを存分に発揮していた。時代を遡ってこれから未来まで楽しめるという喜びが感じられるというCMだった」と話しました。
中にはプロの作品を見ているようなCMもあり、出演者や観客が思わず唸ってしまうようなシーンも見られたうえ、何より郷土愛が感じられるイベントになりました。