武田幸三の寡黙で朴訥とした存在感と肉体アクションから醸し出されるSAMURAIの風格が、往年の正統派西部劇テイストと巧みにマッチし、新たな映画ヒーロー像を魅力的に構築するとともに、良質のプログラム・ピクチュアが具現化。過去の古傷に彼が苦しむ描写も、武田ファンならグッとくるものがあることだろう。
武田以外の脇を固める現地フィリピン俳優陣の個性も魅力的に引き出されている。
それにしても、マカロニ・ウェスタン風の音楽が象徴するかのように、監督ARTY MORGANに製作KAZU DE NIROなど、どこか人を食ったようなスタッフ陣のネーミングではあるが、その正体とは? 全てはこの映画祭にて明らかになる!?