人生というものは、明白になりすぎると前に進みにくくなる。
インドネシアのコーヒー農園で暮らし、バリスタになることを夢見ていたデビー。しかしある出来事が原因で、その夢を諦め、台湾に移住して元兵士と結婚することを余儀なくされる。
その後15年間コーヒー畑で働き、家族を支えてきた彼女にとって、コーヒーは唯一の心の拠りどころであった。肌の色が濃く、顔立ちも周囲と異なる10代の息子ハンは、母親がインドネシア人で、父親の酒癖が悪いため、学校でいじめられている。そして夫のルーは、酒浸りで現在失業中。そんなある日、インドネシアから謎の男性が訪れ、家族の重大な秘密が明らかになる…。
人生どれだけつらくても、どれだけ憧れの念が増していっても、コーヒーのよい香りが空間を満たせば、答えは自然と見えてくる。