沖縄コンベンションセンター・シアター2にて、特別招待作品『JURY』の上映と、上映後にキム・ドンホ監督らによる舞台挨拶が行われました。
特別招待作品『JURY』は、映画を審査する5人の審査員(JURY)たちが、さまざまな障害を乗り越えながら作品を審議する様子をコミカルタッチで描いたショートムービー。数々の映画祭で審査員長を務めているキム・ドンホさんの実体験を基に製作された初監督作品です。
映画上映後、キム・ドンホ監督が登壇し舞台挨拶がスタートしました。
キム・ドンホ監督は、「こんばんは、お逢いできてうれしいです。
私は、釜山国際映画祭では名誉委員長を、第1回・第3回の沖縄国際映画祭では審査委員長を務めました。
第5回の沖縄国際映画祭では、審査員としてではなく、監督として参りました。
今までは観る立場でしたが、今回は審判をうける立場としてここにいるので、とても緊張しています。
この映画は、さまざまな意見をもった審査員が登場しますが、審査員は映画に対して深い愛情を持っていることを知ってもらいたい。
映画監督にとって映画は「夢」、映画祭は夢に連れて行ってくれる場所で、観客のみなさんには夢を楽しんでもらいたいと思います。
今日この会場にいらっしゃった方々にとても感謝しています」とコメントし、観客からの拍手が起こった後には、「ありがとうございました」と日本語でも答えました。 その後は司会者からの質問タイムへと移りました。
“この映画の撮影のきっかけは?”という質問に対して「18年間たくさんの映画祭に参加し、1996年にはカンヌ国際映画祭にも参加しました。
たくさんの映画祭を見てきて、映画とは監督ありきであることを感じました。そこから、俳優たちもレッドカーペットを歩くことができるのです。そのことから、監督業に一度チャレンジしてみたかった。そう願っていた矢先に、15年間勤めた釜山国際映画祭の委員長を終えたところに、アシアナ国際短編映画祭のオープニング作品を作ってみないかと誘われのが『JURY』の制作のきっかけです」とのことでした。
また、“もっとも印象的だった審査会は?”と、さまざまな審査委員長を経験したキム・ドンホ監督宛ならではの質問には「審査委員同士の意見が割れ、委員長である私にどちらにするか決めてほしいと言われたこともあれば、夜通し話し合いを続ける審査会もありました」と審査会によって、またそこに参加する審査員たちによってさまざまな印象を受けた事を告白。
監督業の感想を聞かれると「演技のひとつひとつを指導するのが大変でしたが、この映画にはアン・ソンギさんやカン・スヨンさんなど、韓国を代表する俳優さんをはじめ、トップクラスのスタッフも参加してくれたお陰で、ショートムービーですが、大作のような映画ができたと思います。3年後には真のブロックバスター映画を披露したいと思っています。今日は私の映画を観に来てくださり、本当にありがとうございました」と、監督業をやれた喜びと、次回作への意欲を言葉にしたキム・ドンホ監督に対して、観客からは大きな拍手が送られました。