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2013.03.25
数多くの映画賞を受賞した台湾映画が上映!主演女優と日本の意外な接点も!

沖縄コンベンションセンターのシアター2にて、「Peace部門」上映作品となる、台湾映画『デビーの幸せな毎日』が上映され、舞台あいさつにジェイド・チョウさん、リー・カンプロデューサー、フー・ティエンユー監督が登壇しました。

「デビーの幸せな毎日」は、酒浸りの夫と、いじめられっ子の10代の息子を持つインドネシア出身のデビーのもとに謎の男性が訪れ、家族の重大な秘密が明らかになるという物語。
第47回電視金鐘獎のテレビ映画シリーズ部門で最優秀作品賞、最優秀主演女優賞、最優秀照明デザイン賞を受賞受賞し話題となりました。

主演のジェイド・チョウさんは「みなさん、こんにちは! チョウと申します」と流ちょうな日本語であいさつ。「沖縄へは初めて来たのですが、きれいな海と素晴らしい日差しがあり、大好きです。この映画は“幸せ”がテーマなので、映画を観てさらに幸せな気分になっていただきたいです」と沖縄と映画の魅力を語りました。リー・ガンプロデューサーは「沖縄には3年前に沖縄国際映画祭の審査員で訪れました。たくさん飲んで食べて、いい思い出がいっぱいです」と観客の笑いを誘うあいさつを。フー・ティエンユー監督は「この映画で監督二作品目になりますが、二作品とも沖縄国際映画祭で上映させていただきました。私にとって特別なイベントです」と映画祭への思い入れを語りました。
今回、初めて母親役をこなしたジェイド・チョウさんは「演技をするうえで難しかった点が二点あります。初めて演じる母親役については、私の母親が自分に対してどのように接したかを思い出しながら演じました。また、インドネシア語の歌や言葉を勉強しながら演じるのが難しかったです」と演じたうえでの難点を振り返りました。

主人公のデビーを描くにあたって注目した点についてフー・ティエンユー監督は「台湾には外国から嫁いできた女性がたくさんいます。インドネシアのジャワ島で撮影したのですが、飛行機の中でデビーと同じような境遇と思われる女性がたくさんいらっしゃいました。彼女たちの境遇を考えるうちにデビーの気持ちに共鳴していくことができたと思います」とデビーの人物像を構築する過程を語りました。
司会からの「デビーが心安らぐ瞬間はコーヒーを飲むときですが、心安らぐものはありますか?」との質問にジェイド・チョウさんは「実は私はカフェインが苦手なんです。それも演じるうえで難しい点でした」と申し訳なさそうにコメント。「趣味は日本のマンガを読むことなんです。『ワンピース』が大好きで、読んでいるときは心が安らぎます。好きなキャラクターは主人公のルフィです。グッズも買って帰ります」と語り、ジェイド・チョウさんと日本との意外な接点に客席からも感嘆の声が聞こえました。

映画の特徴についてリー・ガンプロデューサーは「移民の女性たちの目線から台湾をどのように見ているのかという観点を盛り込んだことが特徴のひとつです。また、女性の努力をそのまま描くのではなく、周囲の人々の行いの中でデビーの努力が映し出されるように工夫しました。そして、監督の女性独自の観点も組み込み、監督も好きなコーヒーを作品の軸に置いたことで、映画に香り付けをしたところが特徴です」と語りました。

作品が数々の映画賞を受賞した理由についての質問にフー・ティエンユー監督は「自分なりの幸せに対する解釈を盛り込めたと思います。今回の作品は家庭の幸せについての作品です。問題だらけの家庭ですが、幸せは遠くへ行って探すのではなく、身近なものを自分の努力で幸せなものへ変えていくという今の私のテーマが表現できたことが好感を持っていただいたのではと思います」と語りました。
最後にジェイド・チョウさんは「幸せというものは、どんな人生、家庭でも努力が必要だと思います。この映画を観てそれぞれの幸せについて、人生の味わいについて思いをはせていただければと思います」と締めくくり、壇上をあとにしました。
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