桜坂劇場・ホールAにて、桜坂映画大学の保健体育科「イケてなかった芸人が考える 童貞。をプロデュース」が開催されました。
舞台あいさつには、講師に“イケてなかった芸人”のCOWCOW、2丁拳銃、NON STYLEの石田明、平成ノブシコブシを迎え、さらに特別講師(スペシャルゲスト)として『童貞。をプロデュース』の監督松江哲明さん、漫画家でイラストレーターのしまおまほさんが登壇。
「童貞」というタイトルのせいか、上映前の舞台あいさつから芸人たちのテンションは高め。この映画を観たことがあるというしまおさんは「当時プチ鬱だった父と観に行ったのですが、この映画を観て父の鬱は治っちゃいました(笑)」というエピソードに、彼らの期待度はさらにアップ!
Part1とPart2に分けられたこの作品、それぞれ一般人の童貞が主人公。一歩間違えれば自分も“引きこもりのオタク”になっていたかもしれないという松江監督が、この童貞2人を「どうにかしよう!」とおせっかいにも「童貞喪失」のプロデュースをしたドキュメンタリー。
実際には「童貞喪失」をしているわけではなく「好きな女の子以外とはキスとか出来ない」と、かたくなに他の女性との接触を避けている“オタク男”加賀くんと、現実の女性が苦手でアイドルばかりに恋をする梅澤くん二2人のリアルな物語が展開されていきます。
上映中は観客席で講師たちも一緒に観覧。観ながらいろいろと話をしていくというスタイルは、まるで家で友達とビデオを観ているような感覚。想像を超えた彼らの行動に「ウワー!」という声と笑いが続出。
賑やかだった上映中で唯一静まり返ったのが、1と2のインターバルに使われる銀杏BOYZの峯田和伸さんが、Part1の主人公が自作した歌をカバー。これを観た芸人たちは「本編ではしょうもない歌だと思ったけど、峯田さんが歌うのを聴いていたら名曲に思えてきた」と感動していました。終電後に中野で撮影したということですが、それでもファンが集まってきたそうです。
上映後、みな開口一番「イヤァ、これは面白い!」を連呼。興奮冷めやらぬなか、監督から主役二人が撮影後に仲良くなって一緒に住んでいたとか、梅澤くんは役者になって成功しているなどの裏話を披露。これに2丁拳銃の修士が「まさにプロデュースしましたね!」とうまくまとめました。
平成ノブシコブシの徳井健太は「みんな笑ってましたけど、俺は昔の自分を見ているようで…」と、ちょっと感慨深げ。「そんな俺も二人子供が出来ましたから」と、その場にはいない主役2人にエールを送る姿に、相方の吉村崇は「次は徳井で撮ってください(笑)」とアピール。
また、「Part1の方は森山未來くんを主役にして映画が出来そうですよね」という声に、ドラマ、映画とヒットした森山未來さんが主役の「モテキ」は、原作者の漫画家・久保ミツロウさんはこの映画を観て書いたことなど、次々と驚きのエピソードが出てきました。
しまおさんは「見終わったあと、みなさんの目の色が変わって、父の鬱が治ったのがわかってもらえたかなと思い嬉しかった」と話し、松江監督は「DVDなどに出来ない作品なので、こうやって見てもらうことで、また上映する機会も出来ると思うので、本当に良かったと思います」と締めくくりました。