沖縄コンベンションセンター・シアター1にて、Peace部門部門に出品されている『泣いたらアカンで通天閣』の上映と舞台あいさつが行われ、位部将人監督、総合演出の福田浩之さん、出演者からは木南晴夏さん、首藤勇星さんが登壇しました。
『泣いたらアカンで通天閣』は、通天閣が見下ろす大阪・新世界の下町商店街を舞台に、しっかり者の娘と人情にもろい父の不器用でまっすぐな親子愛を描いた、笑って泣ける映画。
沖縄国際映画祭に参加した感想を聞かれると、今回が本映画祭2度目の参加となる木南さんは「沖縄のみなさんはいつも温かく迎えてくれて盛り上げてくれるので、昨日のレッドカーペットからすごく楽しませていただいています!」と笑顔を見せ、続いて子役の首籐さんも「沖縄国際映画祭に出るのもレッドカーペットを歩くのも初めてだったけど、みんなが声をかけてくれたので楽しかった」と少し緊張した表情を見せながらも話し、2人とも映画祭を満喫していることを伝えました。
位部監督は「いいですね~沖縄! あとはステーキのジャッキーに行ければ最高なんですけどね!」と軽快な大阪ノリで笑いをとった後、「映画が出来上がって一番最初の上映がこのスクリーンということを、とても光栄に思っています」と語りました。
本作で伝えたいことは? という質問に対し、総合演出の福田さんは「実は僕自身が新世界の出身なんですけど、今回この映画にも出てくるような、プライバシーの無い感じとかがすごい嫌で、いつか出たろと思ってました」と切り出し、「でもこの年になって親子とか地域の絆みたいなものが素晴らしいもんなんやなと改めて感じ、自分の原点に返ってそういう作品が撮れたらいいなと思って作りました」と、自身の経験を交えて作品に込めた想いを語りました。
続けて同質問を振られた位部監督は「見どころは木南晴夏のドギツイ大阪弁!」とひとこと。
ネイティブな関西弁を話すキャストによる大阪ならではのかけあいも大きな見どころとなっている本作は、作品を通してケンカのシーンなど怒鳴るシーンが多く、出演者はのど飴を舐めながら演じていたのだとか。「目の前で大人が怒鳴りまくっていて耳が痛かった…」という首藤さんに木南さんが「ごめんな~」と返す微笑ましいひとコマもあり、会場の笑いを誘っていました。
最後に本作の見どころについて、木南さんが「観た方に、“家族っていいな、素敵やな”と改めて感じてもらえる作品だと思います」と語ると、位部監督が「大阪が舞台の話だけど、そこだけにとどまらない人間賛歌になっていると思う。大事な人を胸にとめながら、国を越えてたくさんの人に楽しんでほしい」と続け、「がんばれ日本!」と力強く締めくくりました。