シアター3にて特別上映・世界のコメディ部門『ハリーの災難』が上映されました。
この映画は巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督作品の中でも珍しいコメディ作品になっており、上映前に髙平哲郎氏と、山本晋也監督が作品の解説をして下さいました。
司会進行としてなだぎ武が登場しました。なだぎは「初日のレッドカーペットから沖縄にいるんですが、東京との温度差が凄くて昨日から沖縄に入った芸人さんが暖かいはずなのに風邪ひいてる人もいるみたいですよ」と、沖縄の暖かさに驚いている様子でした。
続いて髙平氏と山本監督が解説のため登場されました。意外にも山本監督は沖縄国際映画祭の参加は初めてとの事で映画祭の開催を待ち望んでいたと語りました。
上映作品に関して髙平氏は「ヒッチコック監督は自分の作品に必ず出てくるからそこも注目して見て欲しいですね。別の作品ではバス停でバスを待っていたり、水死体役で出てきたり…」とヒッチコック監督作品の特徴を説明して下さいました。
また、会場にはヒッチコック監督作品を初めて観る学生さんもいらしゃって「ヒッチコック作品で初めて観る映画が『ハリーの災難』だと、僕らとは思い入れが変わってくるでしょうね」と山本監督はヒッチコック監督作品への特別な思いをお話しくださいました。
髙平氏は「サスペンスの神様と言われていて、日本の監督がみんなマネしたんですよ」と解説いただくと、山本監督は「有名な作品で『サイコ』のシーンがとても衝撃的で、排水溝が怖いし、未だに僕はお風呂入る時シャワーカーテン閉めないですからね」と言うとなだぎさんが「いや、そこは閉めましょうよ!そんな事言ったらお風呂入られへんがな」と楽しいやり取りもありました。
髙平氏は「この作品は落語で『算段の平兵衛』と言う話があるんだけど、死体に振り回される内容が凄く似ているんですよ。ヒッチコック監督の作品としては珍しくブラックコメディなんですが、どこかに必ず笑えるユーモアがあるんですよ。『北北西に進路を取れ』では銃で撃たれるシーン直前に前にいるエキストラが耳を塞ぐシーンがあるんだけど、それをそのまま流したのはヒッチコック監督の遊び心でしょうね」とヒッチコック監督作品の魅力も紹介して下さいました。
また、髙平氏は続けて「この映画の主演を務めたシャーリー・マクレーンはこれがデビュー作品で当時無名の彼女が抜擢されたのは、ヒッチコック監督がブロードウェイでたまたま見ていた舞台に代役で出演した彼女を見て目に止まったんですよ」とキャスティング秘話も紹介して下さいました。
最後になだぎが「お2人にストーリー全部話されるんじゃないかとドキドキしました。ヒッチコック監督作品の中では珍しいコメディ作品を楽しんで、映画の中でヒッチコック監督がどこで出てくるか探してください」と締めくくり会場をあとにしました。