シアター2にて、「クリエイターズ・ファクトリー 表彰セレモニー」が行われました。
「クリエイターズ・ファクトリー」は、カテゴリーやジャンル、上映時間など一切問わず、映像作品であれば公募することができ、 “次世代を担う才能ある人材”を発掘することが目的の第5回沖縄国際映画祭より新たに誕生したプロジェクトで、最優秀賞に選ばれた作品は、次回作の制作を吉本興業が全面的にサポートするものです。
今回、138本の公募あり、その中から審査員より厳選された9作品を一挙に上映する「最終選考通過作品上映会」が3月25日(月)・26(火)に桜坂劇場で実施され、最終審議がおこなわれました。審査員を務めたのは、数多くの作品に携わりヒット作を世に送り出している名プロデューサー・奥山和由さん、コメディアンに留まらず監督としての才能も発揮している・板尾創路、故・新藤兼人監督を祖父にもち自身も監督として活躍している・新藤風さんです。
「クリエイター ズ・ファクトリー 表彰セレモニー」では、最終選考を通過した9作品の中から、クリエイターズ・ファクトリー最優秀ニュークリエイター賞、クリエイターズ・ファクトリー男優賞、クリエイターズ・ファクトリー女優賞の発表が行なわれ、受賞者が登壇しました。
このセレモニーを見ようと、会場はたくさんの観客でいっぱいに。司会の出雲阿国、審査員の奥山さん、板尾創路、新藤さんが登場すると、満席の客席からは大拍手がおこり、賑やかな中、表彰セレモニーがスタートし各賞が発表されました。
最優秀作品のクリエイターズ・ファクトリー最優秀ニュークリエイター賞と、クリエイターズ・ファクトリー女優賞をW受賞したのは、東日本大震災後の東京郊外を舞台に、放射能の不安にさらされる2人の女性を描いた長編作品『おだやかな日常』でプロデューサーと主演を務めた杉野希妃さんです。
また、クリエイターズ・ファクトリー男優賞には、韓国の人気アイドルグループ・SS501のリーダーで、ミュージックビデオ作品の『Lucky Guy』を歌うキム・ヒョンジュンさんが受賞し、さらに審査員がどうしても賞をあげたいとして急遽設けられた特別賞にはアニメーション作品の『コーポにちにち草のくらし』の監督・脚本の若井麻奈美さんが選ばれました。
今回の受賞作品について聞かれ、板尾は、「どの作品もほんとうに素晴らしくて感激しました。とくに『おだやかな日常』は、演技が素晴らしくて、すごくリアルな部分に胸が痛くなりました。これをはじめとして、毎年あらたな才能が見つかっていければと思います」と、新藤風さんは「力のこもった、表現方法がまったくことなった作品に各賞があたえられ、発表できることを光栄に思います。『おだやかな日常』は、低予算ながら丁寧に描いたすばらしい作品で、多くの方に観てもいただきたいと思いました。『コーポにちにち草のくらし』は、かわいらしい作品で、ぜひ他の作品も観たくなりました」とコメントしました。
その後、各賞へシーサーの形をしたトロフィーの授与が行なわれ、各受賞者が登壇し、最優秀ニュークリエイター賞、女優賞を受賞した杉野さんは、「この度は、このような素晴らしい賞を受賞できて、本当に光栄に思っております。沖縄国際映画祭のテーマである“Laugh”はこの映画にはあまりない部分ですが、“Peace”という部分の平和を求めてつくった作品です。この賞をいただけて本当に感動しています。ありがとうございました」とあいさつしました。
特別賞の若井さんは、「このような素晴らしい賞をありがとうございます。普段作業をしている時にはひとりきりで作業をしているのですが、今回一緒に作ってくださった方や、ナレーションをしてくださった方、プロデューサーの方の力をかりてこのような賞を受賞することができました」と受賞の喜びと関係者への感謝をコメントしました。
男優賞の『Lucky Guy』の主演のキム・ヒョンジュンが登壇すると、会場に詰めかけたファンの「キャー」という歓声がおきました。「以前、(審査員の)奥山さんとサウナでお会いしたことがあり、また沖縄でお逢いできたことを嬉しく思います。沖縄国際映画際で僕の作品を受賞いただき、本当ありがとうございます」と語ると、奥山さんが「そうなんですよ。以前サウナでお会いしたのですが、その時サウナの中で光ってる方がいるなと思ったらキム・ヒョンジュンさんでした。オーラがありました」と語ると会場からは笑いがおきました。また奥山さんは、「キム・ヒョンジュンさんは、すばらしい才能をお持ちの方で、石原裕次郎さんの時の日活アクションの俳優さんみたいな雰囲気があるので、今後日本の映画や、アクション映画にも活躍してほしい」と、キム・ヒョンジュンさんを絶賛していました。
また特別ゲストとして、女優の桃井かおりさんがサプライズゲストとして登場すると、会場は驚きと歓声に包まれました。受賞者に花束を渡した桃井さんは、「わたしはこのクリエイターズ・ファクトリーの第1回目の受賞者に花束を渡したかったので、ちょっとお邪魔しました。映画祭は新しい才能を発掘するべきだし、あまりメジャーにならない映画をどうにか助けてほしいと思っているので、すごく応援しています。次回は私がやって(応募して)みたいので、次にはその賞を桃井にください」とスピーチし、桃井節で会場を沸かせました。
最後に審査員の奥山さんは、「今後もこのクリエイターズ・ファクトリーを通してあらたな才能を発掘して、将来のタランティーノや、ブラットピット、宮崎駿のようになってほしい」とコメントし、なごやかなムードで、授賞式は終了しました。